労災補償の対象となる疾病の範囲を定めた職業病リストが改訂されました。
労災保険法の保険給付が行われる業務災害とは、労働者が労災保険の適用される事業場に雇われて、事業主の支配下にあるときに、業務が原因となって発生した負傷、疾病または死亡をいいます。このうち、重量物を取り扱う業務による腰痛などの疾病(職業病)は、負傷の場合と比べて、災害が介在しないため、疾病が業務が原因となって発生したのかどうか判断が難しことがあります。
そこで、業務と疾病との間に因果関係が確立していると認められた疾病が「職業病リスト」として示されています。これにより、業務上疾病の範囲を明確になり、@被災された方の労災補償に関する請求を容易にすること、A事業主の災害補償義務の履行を確保することができる仕組みとなっています。
この「職業病リスト」がこのたび改正され、10月1日から施行されました。今回の改正では化学物質を原因とする21の疾病が新たに追加されています。この中には、以前問題となった印刷業で使用される洗浄剤などで使用されているジクロロプロパンおよびジクロロメタンによる胆管がんも含まれています。