派遣の労使協定方式Q&A第6集が公開

世界の労働基準監督署からVOL003:千葉労働基準監督署

労働者派遣法の「同一労働同一賃金」について、令和5年度の一般基本給等が公開されたのと同時に、労使協定方式に関するQ&A【第6集】が公開されました。以下では、注目のQ&Aを紹介したいと思います。

問1-1 協定対象派遣労働者の範囲を定めるにあたり、「職種」や「労働契約期間」といった客観的な基準によらなければならないこととされているが、この基準として、例えば「派遣される事業所所在地の地域」や「派遣先均等・均衡方式を適用しない派遣労働者」、「雇用する全ての派遣労働者」等を定めることに問題はないか。

答 労使協定方式は、派遣労働者の長期的なキャリア形成に配慮した雇用管理を行うことができるようにすることを目的としたものである。したがって、「派遣先の事業所その他派遣就業の場所」のみを理由として、「派遣される事業所所在地の地域」を協定対象派遣労働者の範囲として定めることは、派遣労働者の長期的なキャリア形成に配慮した雇用管理の対象とするかの判断に、就業場所は直接関係ないと考えられることから、その趣旨に反するおそれがあり適当ではない。また、協定対象派遣労働者の範囲を定めるにあたっては、客観的な基準によることとしているため、例えば「派遣先均等・均衡方式を適用しない派遣労働者」と定めることは、その範囲が客観的に特定されないため、認められないものである。…なお、協定対象派遣労働者の範囲を定めるにあたっては、以下の点にも留意が必要である。
・賃金水準を引き下げることを目的に待遇決定方式を変えることは、労働者派遣法(以下「法」という。)の趣旨に反するものである。
・性別、国籍等、他の法令に照らして不適切な基準による場合や、労使協定方式の趣旨に反する場合は認められない。

このQ&Aにより協定対象派遣労働者の範囲について、「派遣される事業所所在地の地域」を定めることは、適当ではないことが明にされました。派遣先の賃金の状況に応じて使い分けるような事例があったことを受けたものと考えられます。

問2-1 労使協定方式を採用するにあたって、協定対象派遣労働者の賃金を時給換算し一般基本給・賞与等と比較する際の端数処理は以下のいずれの方法で行う必要があるか。
・「基本給」「手当」「賞与」それぞれで端数処理したものを合計して一般基本給・賞与等と比較
・「基本給」「手当」「賞与」を合計した上で最終的に端数処理を行い一般基本給・賞与等と比較

答 後者の最終的に算出された賃金の合計額を端数処理することで足りる。 なお、一般賃金の額と同等以上であることが必要であるため、合計額に1円未満の端数が生じた場合には、当該端数は切り捨てることとなる(労使協定方式Q&A【第2集】問2-6)。

本問は端数処理の仕方を明らかにしたものですが、こちらは協定対象派遣労働者の賃金を時給換算するにあたっての処理方法です。結論としては、基本給、すべての手当、賞与額を合計したうえで、端数処理をすればよいこととされています。

問4-1 局長通達の第2の3 退職金において、「一般賃金のうち退職金(以下「一般退職金」という。)については、次の(1)、(2)又は(3)から労使で選択するものとする。なお、一つの労使協定において、労働者の区分ごとに(1)から(3)までを選択することも可能であること。」と記載があるが、この「労働者の区分」の定義はどのようなものが考えられるか。

答 労働者の区分については、多様なものがあるため、労使で決めることになるが、例えば、無期雇用と有期雇用で分ける場合(無期雇用は選択肢1、有期雇用は選択肢2など)、職種で分ける場合(A職種は選択肢1,B職種は選択肢2など)などが考えられる。

今回のQ&Aは退職金に関するものが充実しています。

退職手当については、(1)退職手当制度で比較する方法、(2)一般の労働者の退職金に相当する額と「同等以上」を確保する方法、(3)中退共に加入する方法が認められていますが(Q&Aの(1)~(3)に対応)、労働者の区分ごとに選択することができることが明示されました。

問4-7 一般退職金(一般基本給・賞与等×6%)を加味した一般賃金の額と同等以上の賃金の額を、基本給のみで既に協定対象派遣労働者に支払っているが、これに加えて中小企業退職金共済制度(以下「中退共」という。)に加入しようと考えている。その際、一般退職金として掛金を一般基本給・賞与等の6%以上とすることが局長通達で示されているところ、法定の措置を上回って加入する中退共の掛金の額も6%以上とする必要があるか。

答 協定対象派遣労働者の賃金が、一般退職金(一般基本給・賞与等×6%)を加味した賃金の合計額と同等以上である場合、これに上乗せしてさらに中退協に加入する場合の掛金の額は、法定の義務を上回る措置による待遇を確保するものであることから、上乗せ分の掛金が6%未満であった場合でも問題となるものではない。
※一般退職金の率は令和4年度適用の局長通達の例。

本設問は法定を上回る場合の考え方を示したものです。

このほかにもQ&Aはたくさん公開されましたので、派遣会社の労務担当者はぜひ一度確認してください。

お問い合わせはお気軽に。043-245-2288

参考リンク

労使協定方式に関するQ&A(第6集)(厚生労働省HP)

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