最近の不当労働行為(再)審査裁決事例②


  • 今回も最近の不当労働行為の裁決例を取り上げる
  • 今回取り上げるのは、Y1社が、A2の組合加入通知後、同組合員の就労日数を減少させたことが不当労働行為に当たるとした事案

今回も月曜日に引き続き、不当労働行為の裁決例についてみていきましょう。

今回取り上げるのは、Y1社が、A2の組合加入通知後、同組合員の就労日数を減少させたことは、労組法第7条第1号及び第3号の不当労働行為に当たるとした事案です。

労組法7条1号の不当労働行為とは組合員であることを理由とする解雇その他の不利益取扱いの禁止、3号は労働組合の運営等に対する支配介入及び経費援助の禁止です。

資料によれば、この事件は、Y1社らの次の行為が不当労働行為であるとして、救済申立てたものです。

  1. A1組合員の就労復帰を認めなかったこと
  2. A2組合員の就労日数を減少させたこと
  3. A2組合員に専属車両を割り当てなくなったこと
  4. Y2社の代表者であるB2がA2組合員に対して組合脱退の働きかけをしたこと

大阪府労委は、上記2のY1社がA2組合員に対する就労日数を減少させたことは、第3号の不当労働行為であると判断し、Y1社に対し、①配車差別の禁止、②賃金差額の支払い、③組合に対する文書手交を命じ、その余の救済申立てを棄却したところ、組合が再審査申立てを行いました。

しかし、再審は初審の判断を維持して、組合の請求を棄却しました。

1については、A1組合員は脳出血により入院したことがあり、就労復帰して乗務中に再び発症すれば重大な事故につながるおそれがあるため、会社が就労復帰に慎重であったことは「無理からぬ面」があるとした上で、組合が会社の調査に対して非協力的であったことを指摘して、「就労復帰を認められないとしたことには合理的な理由がある」としました。

2は、不当労働行為と認められた内容です。資料にようれば、「組合加入直後から就労日数は絶対的にも相対的にも顕著に減少した」こと、「Y1社の代表者であるB1と組合の間には緊張関係があったこと」、就労日数減少について合理的な理由が認められないことから、不当労働行為と認定しました。

3は、A2組合員が平成 24 年7月まで主に乗務していた車両については、「平成 24 年8月は塗装整備を行っていたことから、同車両を割り当てることは不可能であった」こと、同組合員は「同車両に生コンを付着させたままであったなどメンテナンスが不十分であった」こと等から、それまで主に乗務していた車両に乗務させなかったことには、相応に合理的な理由があるとしました。

4については、資料からは詳しい事情は不明ですが、不当労働行為とは認められませんでした。

不利益取り扱い(1号)に関しては、「労働者が労働組合の組合員であること、・・・の故をもって」、つまり不当労働行為の意志による不利益取り扱いを禁止しています。不当労働行為の意思は、「反組合的意図意図ないし動機は関節事実(諸事情)から認められる「推定意志」でよい」(菅野和夫「労働法」)と考えられていることから、2の場合は、就労日数現象のタイミング、日常の関係などから、不当労働行為が認定されたといえるでしょう。

参考リンク

J社外1社不当労働行為再審査事件(平成26年(不再)第52号)命令書交付について(中労委HP,PDF)

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