今日の記事、ざっくり言うと・・・

  • 厚生労働省が、平成29年度の「過労死等の労災補償状況」を公表
  • 脳・心臓疾患による請求件数は840件で、前年度比15件の増、支給決定件数は253件で前年度比7件の減だった
  • 請求件数は1,732件で前年度比146件の増となり、支給決定件数は506件で前年度比8件の増となった。

 

厚生労働省が、平成29年度の「過労死等の労災補償状況」を公表しました。

「過労死等」とは、過労死等防止対策推進法第2条において、「業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡若しくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡又はこれらの脳血管疾患若しくは心臓疾患若しくは精神障害をいう。」と定義されています。

脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況のポイントは次の通りです。

  • 請求件数は840件で、前年度比15件の増となった
  • 支給決定件数は253件で前年度比7件の減となり、うち死亡件数は前年度比15件減の92件であった
  • 業種別では、請求件数は「運輸業,郵便業」188件、「卸売業,小売業」115件、「建設業」112件の順で多く、支給決定件数は「運輸業,郵便業」99件、「卸売業,小売業」35件、「宿泊業,飲食サービス業」28件の順に多い
  • 職種別では、請求件数は「輸送・機械運転従事者」169件、「専門的・技術的職業従事者」と「販売従事者」98件の順で多く、支給決定件数は「輸送・機械運転従事者」89件、「サービス職業従事者」36件、「販売従事者」29件の順に多い。
  • 年齢別では、請求件数は「50~59歳」290件、「60歳以上」239件、「40~49歳」230件の順で多く、支給決定件数は「40~49歳」と「50~59歳」97件、「60歳以上」32件の順に多い。
  • 時間外労働時間別(1か月または2~6か月における1か月平均)支給決定件数は、「評価期間1か月」では「100時間以上~120時間未満」42件が最も多い。また、「評価期間2~6か月における1か月平均」では「80時間以上~100時間未満」96件が最も多い。

脳・心臓疾患については、従来通りの傾向で、職種としてはいわゆるトラックドライバー、年齢的には中高年齢が多いです。

次に、精神障害に関する事案の労災補償状況のポイントは次の通りです。

  • 請求件数は1,732件で前年度比146件の増となり、うち未遂を含む自殺件数は前年度比23件増の221件であった。
  • 支給決定件数は506件で前年度比8件の増となり、うち未遂を含む自殺の件数は前年度比14件増の98件であった。
  • 業種別では、請求件数は「医療,福祉」313件、「製造業」308件、「卸売業,小売業」232件の順に多く、支給決定件数は「製造業」87件、「医療,福祉」82件、「卸売業,小売業」65件の順に多い。
  • 職種別では、請求件数は「専門的・技術的職業従事者」429件、「事務従事者」329件、「販売従事者」225件の順に多く、支給決定件数は「専門的・技術的職業従事者」130件、「サービス職業従事者」70件、「事務従事者」66件の順に多い。
  • 年齢別では、請求件数は「40~49歳」522件、「30~39歳」446件、「20~29歳」363件、支給決定件数は「40~49歳」158件、「30~39歳」131件、「20~29歳」114件の順に多い。
  • 時間外労働時間別(1か月平均)支給決定件数は、「20時間未満」が75件で最も多く、「160時間以上」が49件であった。
  • 出来事別の支給決定件数は、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」88件、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」64件の順に多い。

精神障害に関しては、昨年より増加しており、これだけ報道がされてもなかなか改善されません。また、若年層の罹患が多いことも特徴で、その原因の多くがいわゆるパワハラが多くを占めています。

参考リンク

平成29年度「過労死等の労災補償状況」を公表します(厚生労働省HP)

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