大規模事故をきっかけとする送検事例

 今日は労基法違反による送検に関するニュースを取り上げましょう。

 先月、北大阪労働基準監督署が運送会社とその取締役を労働基準法違反の容疑で大阪地検に書類送検したと報じられました。インタネットのMSN産経ニュース記事によれば、同社は、「今年3月、長野県松本市の長野自動車道下り線で観光バスや大型トラックなど10台が絡み、1人が死亡、約30人が軽傷を負った事故」を発生させており、この事件をきっかけに労基署による臨検が行われ、労基法違反が発覚したと思われます。
 違反の内容は、同社が36協定を届け出ていない状態のまま1日8時間、1週40時間の法定労働時間を超えて時間外労働をおこなっていたことによる、32条違反でした。また、同社は、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準についても違反があったようです(10/28労働新聞)。

 今回の事例のように、大きな事故の発生を契機として、労基法違反が発覚するということは、それほど珍しくありません。先日紹介した、「自動車運転者を使用する事業場に対する監督指導、送検状況が公表されました」で厚労省が作成した資料でも、重大な事故(死亡事故など)の発生をきっかけに臨検監督が行われ、書類送検に至ったケースが紹介されていました。また、現在放送されている労働基準監督官を主人公としたドラマ「ダンダリン」でも、事故の新聞記事から臨検を行う事業場を選ぶようなシーンがあったのではないでしょうか(私はドラマは見ておらずコミックスで読んだだけですが)。
 現在労基署は慢性的な人手不足の状況であり、監督署が臨検を行うのも数年に1回というのが大半だと思います(中には10年以上来ていない事業場もあるようです)が、このように労働時間中の事故をきっかけに臨検が入ることもあります。したがって危険な業務がある業種は、こういった点にも留意しておく必要があると思います。

 

サービス内容

事務所概要

MORI社会保険労務士事務所
代表 森 慎一
〒260-0032
千葉県千葉市中央区登戸1-15-32
キャピタル登戸6階2号室
TEL 043-245-2288
FAX 043-332-9688
E-mail info@office-mori.biz
アクセスマップはこちら

資料室

労使協定(届)、規程のサンプルはこちらからどうぞ。