世界の労働基準監督署からVOL015:横須賀労働基準監督署

厚生労働省が、職場における熱中症予防対策を徹底するため、労働災害防止団体などと連携し、5月から9月まで、「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施すると発表しました。

令和4年の速報値では、死亡を含む休業4日以上の死傷者数は805人、うち死亡者数は28人となっています。業種別にみると、死傷者数については、全体の約4割が建設業と製造業で発生しています。また、死亡者数は、建設業、警備業の順に多く、多くの事例で暑さ指数(WBGT)を把握せず、熱中症予防のための労働衛生教育を行っていませんでした。また、「休ませて様子を見ていたところ容態が急変した」、「倒れているところを発見された」など、熱中症発症時・緊急時の措置が適切になされていませんでした。

そこで、事業場への熱中症予防に関する周知・啓発を行うに当たっては、①暑さ指数(WBGT)の把握とその値に応じた熱中症予防対策を適切に実施すること、②作業を管理する者及び労働者に対してあらかじめ労働衛生教育を行うこと、③衛生管理者などを中心に事業場としての管理体制を整え、発症時・緊急時の措置を確認し、周知すること、について重点的に呼びかけるとしています。

これからの時期は、気温が徐々に上昇していきますが、この時期の留意点としては、暑熱順化の有無が、熱中症の発生リスクに大きく影響することがあります。そこで、7日以上かけて熱へのばく露時間を次第に長くすることが望ましいとされています。特に、新規採用者等に対して他の労働者と同様の暑熱作業を行わせないよう、計画的な暑熱順化プログラムを組むことが推奨されています。 なお、夏季休暇等のため熱へのばく露が中断すると4日後には暑熱順化の顕著な喪失が始まることに留意する必要があります。

お問い合わせはお気軽に。043-245-2288

参考リンク

令和5年「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施します(厚生労働省HP)