シリーズ「労務管理の要点」第1回:雇入れ時の実務①


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今回から、不定期に「労務管理の基本」というテーマで、連載をしていきたいと思います。第1回は、雇入れ時に関する事項についてみていくことにしましょう。

1.労働者を雇入れたら労働時間、賃金等の労働条件を明示しなければならない

会社が労働者を雇い入れるということは、労働契約を締結することです。労働契約は「労働者が使用者に使用されて労働し、労働者及び使用者が合意することによって成立」します(労契法6条)。ここでは、特に契約書の作成などには触れられていません。つまり、労働契約自体は、合意によって成立するものとされていますので、口頭でも成立することになります。

しかし、仕事の内容も賃金額も知らないままでは、労働者は安心して労働契約を締結することはできません。会社にとっても後々のトラブルを防止するためにも、労働条件をあらかじめ明らかにしておくことは大切です。

そこで、まず、労基法15条では、労働契約を結ぶに当たっては、労働者に対して、次の1から13までの労働条件を必ず明示しなければならないとされています。ただし、5の「昇給に関すること」と6以降のものについては、これらに関して定めをしない場合には、明示することを要しません。

【明示しなければならない労働条件】

  1. 労働契約の期間に関すること
  2. 有期労働契約の場合、更新する基準に関すること
  3. 就業の場所および従事すべき業務に関すること
  4. 始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交替制勤務のローテーションに関すること
  5. 賃金の決定、計算、支払いの方法、賃金締切日、支払日の時期、昇給に関すること
  6. 退職に関すること(解雇の事由を含む)
  7. 退職金の定めが適用される労働者の範囲、退職金の決定、計算・支払いの方法、および退職金の支払の時期に関すること
  8. 臨時に支払われる賃金、賞与(ボーナス)、最低賃金に関すること
  9. 労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関すること
  10. 安全・衛星に関すること
  11. 職業訓練に関すること
  12. 表彰・制裁(懲戒処分)に関すること
  13. 休職に関すること

さらに、1から6については、昇給に関することを除き、書面を交付することにより明示することが義務付けられています(労基則5条2号)。

この書面は、「労働条件通知書」とか「雇用(労働)契約書」と呼ばれているものです。「労働条件通知書」は、「通知書」という名前のとおり、会社から労働者へ労働条件を通知するものです。一方、「雇用契約書」は、契約の当事者である会社と労働者が双方に記名・押印する「契約書」のスタイルになります。

2.労働契約の有期契約と無期契約は重要な違いとなる

労働契約の内容は様々ですが、特に労働契約の定めの有無は、重要な違いとなります。

労働契約の定めがある労働契約(有期労働契約)は、たとえば、6か月とか1年間といった期間を限定した労働契約です。したがって、契約期間が終了すれば、雇用関係も終了することになります。

実際には、労働契約の期間が終了しても、「更新」により、引き続き同じ会社で働く場合が多いのですが、更新することが保証されているわけではありません。そのため、不安定な雇用と言われており、臨時的な業務に従事するパートタイマーやアルバイト、定年退職後の再雇用された嘱託などの非正規雇用で用いられることが多いです。

一方、期間を定めのない労働契約(無期労働契約)は、特に決まった期間間働くといったことは決めずに、通常は定年まで継続勤務する労働契約です。長期雇用を前提とする契約の形態であるため、正社員は無期労働契約であることが多いです。

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