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番外編・2013年を振り返る〜法改正編〜


※写真と記事内容は、一切関係ありません。

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 さて、お休みの間に2013年を少し振り返ってみたいと思います。今日は、今年の主な法改正についてみてみましょう。

 まず、既に4月1日に施行された労働契約法と高年齢者雇用安定法の改正です。労働契約法は、厚生労働省によれば「有期労働契約で働く労働者が安心して働き続けることができる社会を実現する」ことを目的として、有期労働契約についての規制が強化されました。

改正労働契約法の主な内容

  1. 無期労働契約への転換の申込制度の創設
  2. 「雇止め法理」の法定化
  3. 有期労働契約であることによる不合理な労働条件の禁止

 特にインパクトがあったと思われるのが、1の無期労働契約の転換です。これは、同一の使用者との間で、有期労働契約が通算で5年を超えて繰り返し更新された場合に、労働者の申込みによって、有期の契約期間であった労働契約が無期労働契約に転換したものとみなす制度です。これによって、現在有期労働契約の従業員(その多くはパートやアルバイトなどの非正規労働者)をそのまま長期にわたって雇用することは難しくなりました。そのため、多くの企業では、無期転換権が生じる前に更新を打ち切るか、無期転換権を行使された場合の受け皿を作るかの対応に迫られることになりました。

 また、高年齢者雇用安定法については、以下の内容を含む改正法が施行されました。

改正高年齢者雇用安定法の主な内容

  1. 労使協定による継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止
  2. 継続雇用制度の対象者を雇用する企業の範囲の拡大
  3. 義務違反の企業名を公表
  4. 高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針の策定

 このうち、1の「継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止」により、65歳までの雇用を確保する措置が義務化されたことは、報道でも多く取り上げられました。本改正は交付から施行まで半年程度しかなかったため、まずは労使協定や就業規則類を修正し、そのうえで賃金制度の見直しを進めた会社が多かったように思います。すでに大企業などの先行事例では、65歳定年制への移行や賃金カーブの見直しなどが進んでいます。

 一方、本年改正されて施行を控えている法律としては、まず障害者雇用促進法が挙げられます。今回の法改正では、障害者である労働者に対する差別の禁止および障害者が職場で働くに当たっての支障を改善するための措置(合理的配慮の提供義務)を定めるとともに、精神障害者を法定雇用率の算定基礎に加える等の措置を講ずるものです。

 特に「合理的配慮の提供義務」は、「事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない」(同法36条の3)とされているものの、企業にどの程度の負担が求められるのか、厚労省内の審議会で議論が進んでいます。この点については、今後審議会報告が粉われた段階で、ニュースで取り上げる予定です。

 このほか健康保険法や年金保険法なども改正されました。後者では、厚生年金基金について他の企業年金制度への移行を促進しつつ、特例的な解散制度の導入等を行う改正などが行われました。基金に加入している事業所については、今後の政省令などをふまえた上で、対応が必要となるでしょう。

 来年度は、既に次世代育成支援法や雇用保険法などについて、審議会より報告書が作成されており、労働者派遣法についても近々報告書が作成され、通常国会に改正法案が上程される見込みです。さらに、労基法の改正についても議論がスタートしており、来年は今年に比べると、労務関係の法改正が増える見込みです。したがって、2014年は本年以上に法改正が進む見込みといえるでしょう。

■関連リンク
労働契約法の改正について〜有期労働契約の新しいルールができました〜(厚生労働省HP)
高年齢者雇用安定法の改正〜「継続雇用制度」の対象者を労使協定で限定できる仕組みの廃止〜(厚生労働省HP)
平成28年4月(一部公布日又は平成30年4月)より、改正障害者雇用促進法が施行されます。(厚生労働省HP)
平成25年健康保険法等の一部を改正する法律について(厚生労働省HP)


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