基本手当の賃金日額は、算定対象期間に、完全な賃金月が6 以上あるときは、最後の完全な6 賃金月に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金及び3 か月を超える期間ごとに支払われる賃金を除きます)の総額を180 で除して得た額を賃金日額とするのが原則です。

この場合、「賃金月」とは、賃金締切日の翌日から次の賃金締切日までの期間をいい、その期間が満1 か月であり、かつ、賃金支払基礎日数が11 日以上ある賃金月を「完全な賃金月」といいます。

では、算定対象期間の完全な賃金月が5 以下である場合、どのように計算すればよいのでしょうか。この場合、次の①、②、③、④の順序により、かつ、①、②、③、④の中では新しい賃金月から取り上げ、その賃金月の期間を加算して180 日(1 か月を30 日として計算し、1 か月に満たない期間は実日数で計算する)に達するまでの期間(基礎期間)を算定対象とし、当該期間に対応する賃金の額を180 で除して得た額を賃金日額とします。

  1. 完全な賃金月
  2. 賃金の支払の基礎となった時間数が80 時間以上の賃金月
  3. ①・②以外の賃金月であって、当該賃金月における賃金支払基礎日数の当該賃金月の期間の日数に対する割合が30 分の11 以上であるもの
  4. ①・②・③以外の賃金月

この場合において③、④の賃金月のうちその一部が基礎期間に含まれるものについては、その基礎期間に含まれる賃金月の一部の期間に対応する賃金額は、当該賃金月に支払われた賃金額を当該賃金月の期間の日数で除して得た額に、当該一部の期間の日数を乗じて得た額とされます(下図)。

この計算式は一見するとよく意味が分からないでしょう。上記の例の場合、完全月は5カ月(B~F)取れていますが、残りのAとGは完全月ではありません。つまり、AとGは上の③に当たります。③の中では、「新しい賃金月から取り上げ」るので、Aを先に算入し、Aで180日に不足する日数分だけGの賃金を算入させます。

では、Gの何日分を算入させればよいのかという話になります。すると、暦日数でみるとB~Fが30日×5カ月=150日、Aは11月21日から12月15日までの25日間ですので、180日に不足するのは5日分です。なので、Gの期間から5日分もってくるわけですが、Gの期間は6月1日~6月20日の20日間ですので、Gの期間に支払われた賃金の5/20を加算すれば。180日分の賃金が出来上がるというわけです。

実際の計算を会社の担当の方や従業員がすることはほとんどないと思いますが、もし気になる場合は、参考リンクの先の雇用保険業務取扱要領を見て確認してみてください。

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参考リンク

雇用保険に関する業務取扱要領(令和5年8月1日以降)(参考リンク)