例年夏頃に通知される「労働者派遣法第30条の4第1項第2号イに定める同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金の額」ですが、厚生労働省の審議会で資料が公開されました。

派遣労働者の同一労働同一賃金への対応の現状としては、労使協定方式を採用している企業の割合は約9割であり、協定の締結主体は「過半数代表者」が9割以上、労使協定の有効期間は「1年」が約7割以上となっていることが報告されました。

また、令和4年度の労使協定書の賃金(基準値0年)の記載状況(全国計100.0)については、情報処理・通信技術者では平均1,396円で、一般賃金水準との差額の平均値は56円となっているのに対して、一般事務員は1,075円で一般賃金水準との差額の平均値は17円にとどまるなど、職種によって差がみられることがわかります。

次に令和6年度に適用される予定の一般賃金水準については、以下のとおりとなります。

  • 職業安定業務統計の職業計は、1,218円(昨年度より上がる職種:385職種、下がる職種:41職種)
  • 賃金構造基本統計調査の産業計は、1,276円(昨年度より上がる職種:77職種、下がる職種:56職種)

このように、前年より多くの業種で一般賃金水準は上昇します。なお、一般賃金水準については、適用される年度の前年度に示すため、適用される2年又は2年度前の数値を活用しています。このため、令和6年度適用の一般賃金通達においては、昨今の経済動向を勘案し、局長通達本文に、「令和6年度の一般賃金水準(一般基本給・賞与等)は、産業計・職業計で上昇し、また、上昇する職種の数も増加することとなったが、協定対象派遣労働者の待遇改善を進める観点から、改訂後の一般賃金水準を遵守した上で、昨今の経済・物価動向及び賃金動向を勘案して賃金を決定することについて労使で十分に協議することが考えられること。」と記載されることとされました。

また、労使協定で用いられる各指標は以下の通りとされます。

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参考リンク

第360回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 資料(厚生労働省HP)