令和2年度の雇用保険料は改正法成立待ち(追記あり)

世界のハローワークからVOL014:ハローワーク足立

令和2年度の雇用保険料率に関連する雇用保険法等の改正法案が国会に提出されていますので、今回はその概要を取り上げたいと思います。

今回の改正は、高齢者、複数就業者等に対応したセーフティネットの整備、就業機会の確保等を図るため、雇用保険法、高年齢者雇用安定法、労災保険法等について行われるものです。また、財政面でも失業者、育児休業者等への給付等を行う基盤となる雇用保険制度の安定的な運営等を図るため、育児休業給付の区分経理等の財政運営の見直しを行うとともに、現下の雇用情勢等に鑑み、2年間に限った保険料率及び国庫負担の暫定的な引下げ等の措置を講じるものです。

まず、高齢者の就業機会の確保及び就業の促進に関する改正内容をみてみましょう。これには大きく2点あり、①65歳から70歳までの高年齢者就業確保措置(定年引上げ、継続雇用制度の導入、定年廃止、労使で同意した上での雇用以外の措置(継続的に業務委託契約する制度、社会貢献活動に継続的に従事できる制度)の導入のいずれか)を講ずることを企業の努力義務にするなど、70歳までの就業を支援するもの(令和3年4月施行、②雇用保険制度において、65歳までの雇用確保措置の進展等を踏まえて高年齢雇用継続給付を令和7年度から縮小するとともに、 65歳から70歳までの高年齢者就業確保措置の導入等に対する支援を雇用安定事業に位置付けるものです。①に関しては、今回は努力義務とされていますが、将来的には義務化されることも念頭においておくべきでしょう。

次に 複数就業者等に関するセーフティネットの整備等です。これには大きく4点あり、①複数就業者の労災保険給付について、複数就業先の賃金に基づく給付基礎日額の算定や給付の対象範囲の拡充等の見直しを行うもの(公布後6月を超えない範囲で政令で定める日)、②複数の事業主に雇用される65歳以上の労働者について、雇用保険を適用するもの(令和4年1月施行)、③勤務日数が少ない者でも適切に雇用保険の給付を受けられるよう、被保険者期間の算入に当たり、日数だけでなく労働時間による基準も補完的に設定するもの(令和2年8月施行)、④大企業に対し、中途採用比率の公表を義務付けるもの(令和3年4月施行)です。①および②は 兼業・副業者に適用される社会保険制度等の整備を図るものです。

最後に失業者、育児休業者等への給付等を安定的に行うための基盤整備等です。その内容は①育児休業給付について、失業等給付から独立させ、子を養育するために休業した労働者の生活及び雇用の安定を図るための給付と位置付けること(令和2年4月施行)、②①を踏まえ、雇用保険について、ア)育児休業給付の保険料率(1,000分の4)を設定するとともに、育児休業給付資金を創設すること、イ)失業等給付に係る保険料率を財政状況に応じて変更できる弾力条項について、より景気の動向に応じて判定できるよう算定方法を見直すもの(令和2年4月施行)、③②の整備を行った上で、令和2~3年度に限り、雇用保険の保険料率及び国庫負担の引下げ(保険料率 1,000分の2引下げ、国庫負担を本来の55%を10%に引下げ) 措置を講ずるもの(令和2年4月施行)、④雇用保険二事業に係る保険料率を財政状況に応じて1,000分の0.5引き下げる弾力条項について、更に1,000分の0.5引き下げられるようにするもの(令和3年4月施行)、⑤保険給付に係る法令上の給付額に変更が生じた場合の受給者の遺族に対する給付には、消滅時効を援用しないこととするものです。

なお、本法案は現在国会で審議されているところですが、保険料率に関するものが含まれていることから、令和2年度の雇用保険料率は、本改正法案成立後に公表される予定です。

※追記:3月31日に改正法が成立し、令和2年度の雇用保険料率が厚労省HPに掲載されました。

令和2年度の雇⽤保険料率について 〜令和元年度から変更ありません〜(厚労省HP、PDF)

お問い合わせはお気軽に。043-245-2288

参考リンク

雇用保険法等の一部を改正する法律案の概要(厚労省HP,PDF)

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