世界の年金事務所からVOL10:池袋年金事務所

前回に引き続き「社会保険適用促進手当」に関するQ&Aをもとに、その詳細を紹介していきましょう。

社会保険適用促進手当は、社会保険が適用された労働者の社会保険負担を軽減するために支給するもので、標準報酬月額が10.4万円以下の被保険者について、本人負担分の保険料相当額を上限として、標準報酬月額・標準賞与額の算定において考慮しないこととされています。

標準報酬月額が10.4万円超である場合、社会保険適用促進手当は標準報酬月額に算入する必要があるため、標準報酬月額10.4万円超となった月から社会保険適用促進手当を標準報酬月額の算定に含めることとなります。社会保険適用促進手当を標準報酬月額の算定に含めることは固定的賃金の変動にあたるため、月額変更の要件を満たす場合には、社会保険適用促進手当を標準報酬月額の算定に含めた月から4か月目に標準報酬月額を改定します。

社会保険適用促進手当の標準報酬算定除外の措置は、各労働者について2年限りの措置とされています。そこで、期間の終了に伴い手当の支給自体を取りやめる場合、終了時に不利益変更の問題は生じる可能性があります。この点について、A3-では「 就業規則(又は賃金規程)において、予め、一定期間に限り支給する旨を規定いただくことで、その旨含めて労働契約の内容としておくことが対応として考えられます」という見解をしめしています。このように、元々有期の手当として就業規則に規定することも考えられます。

ところで、適用事業所における短時間労働者の社会保険の適用要件である「所定内賃金が月額8.8万円」の判定において、「社会保険適用促進手当」は含まれるのでしょうか。この点については、A4-1で、短時間労働者の社会保険の適用要件である月額賃金8.8万円の判定にあたっては、社会保険適用促進手当を含めて判断することとされています。また、社会保険適用促進手当が毎月支払われる場合には、割増賃金の算定基礎に算入されます。

こういわれると、社会保険適用促進手当は毎月払わなければよいと思われる方もいらっしゃるかもしれません。社会保険適用促進手当を複数月分の本人負担分保険料相当額について、まとめて社会保険適用促進手当を支払うことは可能できるかどうかについて、A3-10では、「標準報酬月額等の算定から除外できる上限額は、労働者の標準報酬月額が10.4万円以下であった月に発生した本人負担分の保険料相当額」であるとし、標準報酬月額が10.4万円以下の月に支払われた本人負担分保険料相当額の社会保険適用促進手当をまとめて支給した場合は、当該手当を支給した月の標準報酬月額等の算定から除外することができるとされました。

このように、社会保険適用促進手当には細かい留意点が多くありますので、導入を検討する際には、公開されている資料をよく確認する必要があるといえます。

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参考リンク

年収の壁・支援強化パッケージ(厚生労働省HP)