厚生労働省が、令和4年「派遣労働者実態調査」の結果を公表しました。 「派遣労働者実態調査」は、派遣労働者の就業実態および事業所における派遣労働者の受け入れ状況等を把握することを目的とする調査です。今回の調査は、5人以上の常用労働者を雇用する事業所から約17,000か所と、そこで働く派遣労働者から約11,000人を無作為抽出し、令和4年10月1日現在の状況について実施されました。有効回答率は事業所調査で49.7%、派遣労働者調査で64.8%でした。

ここでは新規調査項目の「派遣労働者の不合理な待遇差解消のための取組状況」についてみていきます。

派遣労働者が就業している事業所について、派遣労働者の待遇決定方式をみると、労使協定方式の対象となる派遣労働者を受け入れている事業所が37.0%、派遣先均等・均衡方式の対象となる派遣労働者を受け入れている事業所が29.4%という結果でした。 これを派遣労働者数階級別にみると、派遣労働者を多く受け入れている事業所ほど労使協定方式をとっている派遣労働者を受け入れている割合が高くなっています。ただし、別の派遣元(派遣会社)に対する調査では、労使協定方式を採用している事業所が9割近くあることが報告されており、すくなくとも「わからない」の多くは、労使協定方式の派遣だろうと推測されます。

次に派遣労働者が就業している事業所について、派遣労働者の不合理な待遇格差の解消に向けた派遣先労働者の待遇情報及び派遣労働者の派遣先における職務の評価情報の提供について、派遣元事業所から情報の提供が求められ、実際に提供したことがある事業所を提供した情報の種類別にみると、「福利厚生施設(給食施設、休憩室、更衣室)」が46.1%と最も高く、次いで「派遣先が行った派遣労働者の職務の評価情報(働きぶりや勤務態度)」が32.2%、「業務に必要な能力を付与するための教育訓練」が27.6%となっています。

第3に、派遣労働者が就業している事業所について、派遣労働者の不合理な待遇差の解消のため、派遣元から派遣料金に関する要望の有無をみると、「要望があった」が38.0%、「要望が無かった」が60.0%でした。そして、要望があった事業所のうち、求めに応じてとった対応(複数回答)をみると、「求めに応じて派遣料金を上げた」が91.4%と大多数の事業所が派遣料金を上げていることなどが明らかになりました。

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参考リンク

令和4年派遣労働者実態調査の概況(厚生労働省HP)